果樹に囲まれた山の麓 そばには山の湧水やシナモンの大木も
暖家(ダンケ)
(井上 直美・永太郎)
【 ロケーション 】
極甘の独自ブランド「こいひめ柿」やブルーベリー苗を栽培し、野菜づくりの体験学習も開催する「井上永太郎果樹園」。農家民泊「暖家ダンケ」は、井上永太郎さんと奥さんの直美さんがお世話しています。
お洒落なロッジ風の「暖家ダンケ」は、耳納連山の麓、すぐ近くにまで森が迫る山手にあり、眼下に広々とした筑紫平野を見渡せます。ちなみに「暖家ダンケ」とは面白い名前ですね。これは「お客様を温かくおもてなしする家」という意味と、泊まっていただいたお客様への感謝の意味が含まれているそうです。ドイツ語で「ありがとう」は、「Dankeダンケ」と言いますからね。
【 家の趣 (おもむき) 】
1階のリビングダイニングルームや2階のフローリング部屋の窓からの眺めは絶景です。シナモンの大樹を中心に、手前は柿とブルーベリーの農園、その奥には田主丸の田園地帯がずっと広がります。また、横には阿蘇神社の鎮守の森も見えています。その美しい眺めは、ドイツから来たお客さんが「欧州に似てる」と大いに喜んだほど。
一方で、和室も用意されています。そこには、鎌倉時代のものと言われる大きな仏像さまと、立派なご仏壇があり、古民家の雰囲気も十分に体験できるお宅です。
さらに、耳納連山の森と一体となった庭を流れる小川のそばには、樹齢150年の梅が2月には綺麗な花を咲かせます。また、耳納連山に多数ある古墳の一つがその口を開けていたり。歴史を感じる日本的な庭の雰囲気も楽しめます。
【 体 験 】
農園内のシナモンの大樹は、味覚でも楽しませてくれます。1~2月にその皮をはいで 2、3週間乾燥させれば、クリアな味のハーブティに。その作業をお手伝いして、自作のティーバック作りができます。
もちろん、農園でこいひめ柿・富有柿の収穫や、ブルーベリー苗の生産体験もできます。ブルーベリーは6~7月に挿し木、7月下旬から実の収穫、3月には挿し木していた苗をポット鉢に鉢上げ。ブルーベリーのジャム作りも楽しめます。4月初旬には、田主丸の9か所で行われる「オープンガーデン彩の会」の野菜や花の販売イベントも、こちらで開催されています。食事は、有機栽培にこだわった野菜を材料に、田舎料理を洋風にアレンジした創作料理。ご主人の永太郎さんは、柿も野菜も全ての農業は地中の微生物が元気な土づくりが命、という考えをお持ちで、除草剤なし、化学肥料もなしの草生栽培を実践されています。その秘訣を聞かせていただくと、料理の美味しさがさらにグッと高まります。
【伝統行事】
「暖家」の目と鼻の先には、阿蘇神社があります。社殿のすぐ後ろには樹齢1,500年と言われる楠(くす)のご神木が聳え立ち、見る人を圧倒します。
神社では、地元の人が集まって年始交換する元旦に始まり、9月下旬には氏子さん達が自作のしめ縄を張り替える「夜渡(よど)のご神事」に、世話役の当番が交代する「戸渡し」の儀式があります。そして、11/30の晩の「堂ごもり」では、出雲大社から戻ってこられる神様をお迎えする大焚火が焚かれます。これらの伝統行事から、日本の歴史を実感することができます。
九州自動車道:久留米I.C.より12km
JR久大本線:筑後草野駅より4km